伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(代表取締役社長:菊地 哲、本社:東京都千代田区、略称:CTC)は、データの準備、学習、アプリケーション開発などのAIに関連する開発技術を体系化し、それに対応したAI活用のためのハイブリッドクラウド環境「CTC Integrated AI Platform Stack」の提供を本日から開始します。AIの開発と利用についてスモールスタートによる検証や本格的なビジネス利用を検討している企業に提供し、AI関連のビジネスで3年間で50億円の売上を目指します。

近年、ニューロン(神経細胞)が情報伝達する仕組みを模倣したディープラーニング技術が普及し、AIの実用化が急速に進んでいます。しかし、計算の速度や正確さを確保してAIを実際のビジネスで使用するには、高性能なコンピューティングリソースが求められ、使用する環境や目的、計算対象に応じたソフトウェア(ライブラリ)の選定や検証、環境構築にも多くの時間が必要です。

この度CTCは、AIの企業利用を支援するためAI開発のプロセスと技術を体系化し、最初のソリューションとして、各プロセスに沿って効率的なAI開発を推進するためのAIハイブリッドクラウド環境CTC Integrated AI Platform Stackの提供を開始します。

AI開発の技術体系について

AI開発でのデータの準備、学習、アプリケーション開発という3つのサイクルを統合した技術体系で、それぞれのサイクルで必要とされる技術や要件を明確にし、関連するソリューションをマッピングしています。CTCは、本体系に基づきお客様の状況に適したコンサルティングサービスやソリューションを提供し、AI開発における設計から運用、継続的な改善を含めて総合的に支援していきます。

AIハイブリッドクラウド「CTC Integrated AI Platform Stack」について

CTC Integrated AI Platform Stackは、今回策定した技術体系に対応したAI開発のITインフラソリューションです。例えば、データの収集、加工、分析などの各プロセスでは、シーケンシャルもしくはランダムというデータへのアクセス方法、GPUの使用/不使用といったインフラ要件が異なることもあり、プロセスやセキュリティ、コストなどの要件に柔軟に対応できるハイブリッドクラウドの環境を用意しました。

プライベートとパブリッククラウドの両方で、軽量な仮想環境であるコンテナ技術のDockerや自動管理ツールを導入しており、AIを使用したアプリケーションの開発からサービス提供環境への移行を含めて、プライベートとパブリック間での移動が素早く行える環境です。PoC(概念実証)からサービス提供までの全プロセスを効率化する継続的インテグレーション(CI:Continuous Integration)※1を実現しています。

今後の展開

CTCは、既に大規模なハイブリッドクラウドの構築実績があり、企業データの分析や評価を担うシステムや、製造業やサービス業でのディープラーニングシステムの構築実績があります。CTC Integrated AI Platform Stackは、長年のノウハウに基づきサーバやストレージ、パブリッククラウド、AIフレームワークを組み合わせて検証したプラットフォームです。マルチベンダーで総合的な検証や研究開発を行うCTCの施設「テクニカルソリューションセンター(TSC)」でも当ハイブリッドクラウド環境を配備し、お客様の目的に応じた検証を行います。

CTCは今後、AIハイブリッドクラウド環境のCTC Integrated AI Platform Stackについて、AIフレームワークや管理機能を拡充すると共に、今回策定したAI開発の技術体系に沿って、既存システムとAI開発を連携するソリューションや特定業務に特化したソリューションなどを提供し、お客様のAI活用によるデジタルトランスフォーメーションを支援していきます。

※1継続的インテグレーション(CI)について:ソースコードからの生成(ビルド)やテストを継続的に且つ頻繁に行いアプリケーション開発の品質を向上させる手法。単一の場所にソースコードを置き、コードからアプリケーションの生成、テスト、結合などを自動化することで実現できる。
AI開発の3つのサイクル

AI開発の3つのサイクル

AI開発の体系図

AI開発の体系図

CTC Integrated AI Platform ...

CTC Integrated AI Platform Stackの構成図

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