株式会社電通国際情報サービス(本社:東京都港区、代表取締役社長:釜井 節生、以下ISID)は日本マイクロソフト株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長:平野 拓也、以下 日本マイクロソフト)と連携し、株式会社セブン銀行(本社:東京都千代田区、代表取締役社長: 二子石 謙輔、以下 セブン銀行)のサービス開発基盤をマイクロソフトのクラウドプラットフォーム Microsoft Azureで構築し、同基盤上で開発されたスマホアプリによる海外送金サービスが8月3日から稼働したことをお知らせします。
セブン銀行では、2017年秋に提供を開始するリアルタイム振込機能についても本基盤上での開発を進めており、今後の活用についても検討を進めています。

背景
テクノロジーの進化によって新しい金融サービスが次々と登場する中で、金融機関にはより利便性の高いサービスの提供が求められています。
そのような状況の下、セブン銀行は新技術を取り入れながら、独自の新サービスの提供に取り組んでいます。こうした取り組みの一環として同社は、より柔軟なサービスの立ち上げを可能とするシステムの開発基盤構築について検討を進め、クラウドプラットフォームとして日本マイクロソフトのMicrosoft Azureを、そして構築パートナーとしてISIDをそれぞれ採用しました。

セブン銀行の新サービスについて
今回セブン銀行は、海外送金の中でもニーズの高いフィリピン向けの送金をいつでも簡単にスマホアプリから行うことができる新サービスを開始しました。同社は従来から提携先の仕組みを通じてATMやインターネットバンキングでの海外送金サービスを提供していますが、本開発基盤上で新サービスのシステム開発を行うことにより、利便性の高いサービスをより低コストで提供することが可能となりました。
また、今秋提供を開始するリアルタイム振込機能は、セブン銀行口座と外部サービスをAPI※1連携で接続し、接続したサービスからの振込指示を即時に実行するものです。本機能は給与計算や経費精算、振込関連のサービスを提供する企業での活用が見込まれています。
国内の金融機関が、パブリッククラウドを活用して送金や振込などのサービスを提供する事例はまだ少なく、先駆的な取り組みと言えます。
・セブン銀行フィリピン送金サービスについてはこちら
・リアルタイム振込機能についてはこちら
サービス開発基盤について
本基盤は、低コストかつ迅速な新サービス提供の実現を目的として構築したものです。特長は以下の通りです。

1.海外送金、振込のAPIおよび提携先とのデータ連携機能をMicrosoft Azure上に構築
スマートフォンアプリや外部サービスから呼び出す海外送金や振込のAPIと、海外送金提携先へのデータ連携機能をMicrosoft Azure上に構築したことにより、セブン銀行が提携する外部サービスや送金先等の提携先金融機関が拡大した際にも、これらの機能を活用したデータ連携が容易に実現可能です。

2.Microsoft AzureのPaaS※2機能を活用し、サービス開発期間の短期化を実現
Microsoft AzureのPaaS機能をフル活用し、新サービスの開発期間の短縮と、運用負荷の軽減を実現します。例えば、Azure API Managementを活用することで、複数あるAPIの振分けや権限管理を一括で行うことができ、新たなAPIを開発する際にも煩雑な管理機能の開発を行う必要がなく、設定のみでAPIの管理を開始することが可能です。さらに、開発支援機能であるVisual Studio Team Servicesを利用し、開発の形態や規模に合わせた柔軟な構成管理やMicrosoft Azure上の本番環境や開発環境へのシームレスな連携を行うことができます。

3.サービス開発基盤とインターネットバンキングシステムのハイブリッド構成とし堅牢な環境を実現
ISIDは2014年にセブン銀行のインターネットバンキングシステムをプライベートクラウド上に構築しており、その実績が評価され、本基盤の構築パートナーとして採用されました。今回、既に実績のあるインターネットバンキングシステムの顧客情報の管理機能やシステム監視機能等とパブリッククラウドのセキュリティ基準において評価の高い Microsoft Azure を活用したハイブリッド構成とすることで、本基盤の構築期間を短縮しつつ、高いセキュリティレベルを担保した堅牢な環境を構築しました。


ISIDと日本マイクロソフトは今後も、金融機関の課題解決をテクノロジーで支援することにより、顧客に向けた新規サービスの早期提供とそれに伴う安定した収益モデルの確立に貢献してまいります。


※1 API : Application Programming Interfaceの略。ソフトウエア間の情報や指示等の送受信ルール等を定めたもので、API を利用することでソフトウエア間の機能連携等を安全かつスムーズに行えるようになる。
※2 PaaS : Platform as a Serviceの略。WEB経由で、アプリケーションを利用するための基盤であるOSやアプリケーションサーバーなどのミドルウエア、開発環境およびツールを提供するサービス。

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