東芝デジタルソリューションズ株式会社(神奈川県川崎市、取締役社長:錦織 弘信 以下、当社)は、トリノ・ガーデン株式会社(東京都港区、代表取締役:中谷 一郎 以下、トリノ・ガーデン)がコンサルティング業務の一環で行う飲食店のオペレーションの「見える化」サービスによる業務効率化に向け、当社のAI技術を用いて店員の行動を自動分析する実証実験を行います。

 トリノ・ガーデンは、店舗内のオペレーション(接客作業)を科学的に分析することで生産性を高めるコンサルティングを展開しております。飲食店のケースでは、テーブルタッチ回数注1などをKPI(重要業績評価指標)注2に設定・データを測定し、「見える化」することで、店舗経営者・管理者による業務改善施策の検討・意思決定をサポートします。しかし、店舗内の状況を目視で確認し、手動で分析するため、多大な時間・労力がかかるという課題がありました。
 今回の実証実験では、当社のAI技術で実現したラグビーの試合での映像分析技術を応用し、店舗映像から店員行動の切出し・分類・タグ付け注3を行い、テーブルタッチ回数の自動集計を実現します。これにより、店舗経営者や管理者などは、意志決定に必要な情報を簡単に把握でき、改善施策の立案・検証を実施しやすくなります。

 今後は、当社が持つコミュニケーションAI「RECAIUS™(リカイアス)」とアナリティクスAI「SATLYS™(サトリス)」の2つのAI技術を活かし、映像・音声・センサー情報など、さまざまなメディアデータを活用した行動分析・抽出技術を高めると共に、あらゆる企業・団体との共創をすすめて業界横断の知識・ノウハウをAIに取り入れることで、「未来型」の店舗経営に役立つソリューション・サービスの展開をすすめます。
<エンドースメント>
今回の発表にあたり、抽出すべき特定行動やKPIダッシュボード注4化に関する多くのノウハウを持つトリノ・ガーデン株式会社 代表取締役 中谷 一郎様より、以下のコメントをいただいています。

「過去実績から、飲食店において、店舗スタッフがお客様のテーブルに何回接客訪問したか(テーブルタッチ回数)の情報は、顧客の満足度との相関関係が高く、最終的にその店舗の近い将来の経営状況に影響を与えるKPIとして非常に価値のある情報になります。 しかし、我々のスタッフが店舗のカメラ映像からタッチ回数を手動で計測しKPI ダッシュボード化するため、非常に労力がかかり、多くの店舗で定常的にレポートを作成するのは困難でした。 今回、東芝デジタルソリューションズ様のラグビーの特定行動をAIで行動推定する技術を応用し、テーブルタッチシーンを抽出し、自動的にKPIダッシュボード化することができました。これにより、大手チェーン店様への定常的なレポーティングサービスが可能となるのは、私たちのお客様にとっても画期的な成果となります。」
図1:AIを活用し、各種メディアデータから意思決定に役...

図1:AIを活用し、各種メディアデータから意思決定に役立つ情報を自動でレポート生成

注1:
テーブルタッチ回数。飲食店において店舗スタッフがお客様のテーブルに接客訪問した回数。
注2:
KPI(key performance indicator、重要業績評価指標):目標達成のために設定する定量的な指標
本件の場合は、「テーブルタッチ回数(何回接客訪問したか)」など
注3:
タグ付け:「テーブルタッチ中」「移動中」などそれぞれの動作にタグ付けすること。
注4:
KPIダッシュボード:KPIを可視化したツール。パソコンモニターなどで関係者が状況・課題を共有できる。

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