その結果、外出自粛要請などにより自宅にいる時間が増えたことで、実際にオーラルケア行動に変化があると答えたのは約2割でした。主な行動変化としては、「歯みがき回数が増えた」「丁寧にみがくようになった」などポジティブな変化が多く、「歯みがきが適当になった」などの変化も一部見られました。

 また、約半数の56%の人が、お口の状態やオーラルケアに対する意識が変わったと回答。「食生活」や「人とのコミュニケーション」といったお口の健康に関連する生活行動にも変化が見られました。
 毎日習慣として行う歯みがきなどのオーラルケアは、お口の健康を守り、そして全身の健康を守ることにもつながっています。今回の調査結果をふまえ、生活の変化によるリスクや、ケア方法について、歯科医師に考察、アドバイスを伺いました。
 サンスターは今後も、お口の健康を守る適切な情報を積極的に発信してまいります。
<調査概要>
対象エリア:全国
対象者 :20歳~69歳の男女 1,000人 ※10歳刻み/各100名で均等に割付
新型コロナウイルスの影響や外出自粛により自宅にいる時間が増えた人
調査期間 :2020年4月22日~4月23日
方法 :インターネット調査
【調査サマリー 】
①オーラルケアにおける変化
●お口の状態やオーラルケアの意識の変化については、2人に1人が「変化があった」と回答(56%)。変化の項目としては、「マスクをすることで、自分の口臭が気になるようになった」、「歯医者に気軽に行けない為、歯や口の状態を気にするようになった」、「好きな時間に歯みがきがしやすくなった」、「歯みがきなどのオーラルケアの意識が高まった」。
●オーラルケア行動に実際に「変化があった」人は5人に1人に留まる(21%)が、変化したこととして最も多かったのは「歯みがきの回数が増えた」、次いで「歯みがきが丁寧になった」、「歯みがきの1回の時間が長くなった」。
②生活における変化
●「食生活」では、3割が「変化があった」と答え、その理由として最も多かったのは「お茶やコーヒーを飲む頻度が増えた」(53%)、「冷凍・レトルト食品の利用頻度が増えた」(43%)、「間食の回数が増えた」(43%)。
●普段の生活において、最も大きく変化した1位が「外出」(54%)であり、次いで2位「買い物」(45%)、3位「人とのコミュニケーション」(35%)、4位「食生活」(32%)、5位「起床や就寝の時間」(31%)。  <複数回答>
●「人とのコミュニケーション」では、直接会って話す機会・全体的な会話の量が共に大きく減少。
【調査結果】
①オーラルケアにおける変化
<オーラルケアの意識>
 自宅にいる時間が増えたことによるオーラルケアの意識や、お口の状態の変化について質問したところ、56%の人に変化が見られました。その理由としては、「マスクをすることで、自分の口臭が気になるようになった」、「歯医者に気軽に行けない為、歯や口の状態を気にするようになった」、「好きな時間に歯みがきがしやすくなった」、「歯みがきなどのオーラルケアの意識が高まった」と、いずれも自身のオーラルケア意識の高まりが見られました。
<オーラルケアの行動>
 オーラルケア行動で、実際に行動に「変化があった」と回答した人は21%。その理由として、「歯みがきの回数が増えた」、「歯みがきが丁寧になった」、「歯みがきの1回の時間が長くなった」「洗口液で口をゆすぐ回数が増えた」と続き、オーラルケアの行動においてポジティブな変化が多く見られました。(図1)
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【三宅医師の考察・アドバイス】
 お口の中を清潔に保ち細菌の数を減らすことは、むし歯や歯周病の予防だけではなく、誤嚥性肺炎やウイルス性疾患など全身の病気の予防にもつながります。
 唾液には天然の抗菌成分が含まれており、細菌の繁殖を防ぐ働きがありますが、寝ている間は唾液の分泌が減るため、朝の口は乾いた状況にあり、1日の中で最も口内の細菌数が多くなります。口の中の菌を効果的に減らすためには、①就寝前にしっかり念入りに歯をみがくこと(目安は3分)、②朝の歯みがきを特に丁寧にする、③唾液の分泌を増やすマッサージをすることが効果的です(図2)。特に就寝前の歯みがきでは、ハブラシだけでなくフロスや歯間ブラシ、洗口液も併せて使用することをおすすめします。
 意識変化の生じたこの機に、オーラルケアの行動変化につなげてみましょう。
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②生活における変化とオーラルケアの関係
「食生活」と「人とのコミュニケーション」
 普段の生活の中での変化TOP 5は「外出」(54%)、「買い物」(45%)、「人とのコミュニケーション」(35%)、「食生活」(32%)、「起床や就寝の時間」(31%)でした。そのうち、「食生活」と「人とのコミュニケーション」はオーラルケアと大きく関連しています。

<食生活>
3人に1人が「食生活に変化があった」(32%)と答えており、変化の理由TOP3は、「お茶やコーヒーを飲む頻度が増えた」(53%)、「冷凍・レトルト食品の利用頻度が増えた」(43%)、「間食の回数が増えた」(43%)です(図3)。男女差が最も大きいのは「間食の回数が増えた」で、男性33%に対し、女性51%という結果でした。
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【三宅医師の考察・アドバイス】
 家にいる時間が長くなると、ついお菓子やジュースなどの飲み物などに手が伸びて、だらだらと食べてしまいがちです。実は、この「だらだら食べ」がむし歯のリスクを高めます。口の中では、食事や間食の際、食べ物や飲み物に含まれる糖分でむし歯菌が酸をつくり、歯を溶かします。そして、それを唾液の働きで修復しています。しかし、口の中に甘いものがある状態が長く続くと、唾液による歯の修復が間に合わなくなり、むし歯になりやすくなります(図4)。間食が多くなってしまっていると思ったら、歯の修復を助けるため、食べた後にはこまめに歯をみがくようにしましょう。唾液の働きを助けて歯の修復作用を促進するフッ素入りの歯みがきで食後や間食の後に 歯をみがくとむし歯予防により効果的です。 また、お口とからだの健康のためにも、規則正しい食生活を心がけましょう。
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<人とのコミュニケーション>
 「SNSや家族との会話の量が増えた」と答えた人は約3割にのぼり、特に20代では、家族との会話の量が増えた人は44%と、全体の32%と比べ高い結果となりました。
 しかしながら、直接会って話す機会が減った79%、全体的な会話の量が減ったは65%と、共に大きく減少しています(図5)。年代別に見ると、大きな差は見られないものの、60代が最も多く全体的な会話の量が減った(73%)と感じていることがわかりました。
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【三宅医師の考察・アドバイス】
 お口の機能を健康に維持するには、食事による咀嚼、噛む運動だけでなく、人とのコミュニケーションで口や顔の筋肉を使うことも大切です。自粛の影響で人との会話が減ったことにより、口の周りの筋肉の働きが低下し、オーラルフレイルのリスクが高まる恐れがあります。一人でもできるお口のトレーニングには、「パタカラ体操」(図6)や「口と舌の体操」(図7)、好きな本の朗読などがあります。ご自身が好きなことや、できることから取り組んでみましょう。お口の筋肉をしっかり動かして口腔機能を維持することは、心身の健康へも繋がります。
*オーラルフレイルとは、硬いものがたべづらくなったり、滑舌が悪くなったり、加齢に伴うお口の衰えが、栄養不足や気持ちの落ち込みなどを引き起こす現象や、その過程のことを言います。
参考:https://jp.sunstar.com/oral-frail/
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<解説>
一般財団法人サンスター財団附属千里歯科診療所 歯科医師 三宅 直子(みやけ なおこ)
所属学会:日本歯科保存学会、日本歯周病学会 専門:歯科保存治療 日本歯科保存学会認定医
2007年 大阪大学歯学部卒 2015年~一般財団法人サンスター財団附属千里歯科診療所勤務
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●「Stay Home, Stay Healthy! うちにいよう、健康でいよう!」特設サイト
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サンスターは、新型コロナウイルスの影響による外出自粛で自宅で過ごす時間が長くなっている今、お家で健康に過ごしていただきたいという願いから、これまで発信してきたお口とからだ、生活環境に関する健康情報と、お子さま向けのお楽しみコンテンツをまとめた特設サイト「Stay Home, Stay Healthy! うちにいよう、健康でいよう!」を開設しました。
特設サイトURL https://jp.sunstar.com/stayhome/

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